ここ数年ではコロナ禍により葬儀の開催も難しい時期があったり、故人の生前の希望によりお葬式をしないという選択肢が広く受け容れられたり、遺骨の扱いについても多様化しています。そんなご時世であっても、やはり故人を弔い墓石を建てる、若しくは納骨堂へ依頼するというのが礼儀だと感じる方々も依然として多数いらっしゃるでしょう。東京都内では寺社や霊園は数多存在していますが、納骨堂についてはご存知の方は然程いらっしゃらないことでしょう。利用したいけれど、都内にどれほどあるのか、ないしは価格は如何程のものなのか、疑問に思う方も決して少なくないかと存じます。

2023年現在、東京都内の納骨堂はネット上で判明している限りでも177件存在しています。価格については、地域やタイプにより異なるので一概には言えませんが、凡そ50~150万円と見込んで差し支えないものです。従来の形式通りの一般墓の予算としては、200万円前後が相場であり、尚且つ屋外であれば御墓参りの際に天候にも左右されてしまうため、故人の生前のご意向だったり、ご親族の財政状況であったり、検討すべき事項も多数存在します。一方、納骨堂であれば屋内であることから、殆ど天候による影響を受けないという点でもメリットがあります。

加えて、自動搬送式・ロッカー式・仏壇式・位牌式・墓石式など種類も多岐にわたることや、埋葬方法も他の故人と同じ区画に埋葬するという選択肢もあるものです。更には、継承者不要であったり宗教を問わない点であったり、些か語弊が生じるかも知れませんがコストパフォーマンスのみの観点を考慮すると、存外メリットが多いというのもまた事実なのです。然し乍ら、結局は大事な身内を弔うということ。御本人の生存のご意向を尊重し、御親族の負担との兼ね合いで最適な答えを出されることこそが最高の餞となることもまた忘れずにありたいものです。