これまで大切な家族だったペットが亡くなった場合、庭に埋めたり、野山に散骨して自然に還すと考え供養をする方も少なくありませんでしたが、ここに来て人間同様のお墓を用意して手厚く供養する方が増えています。ペット専用の霊園にはいくつものお墓が立ち並び、骨壺に納められたご遺骨が手厚く葬られました。家族や親族、友人知人が参加した葬儀では住職がお経をあげ、参列者は順番にご焼香を行います。一連の祭事が終わったら、ご遺骨はお墓へと移動して埋葬されます。

お墓には亡くなられた日付や戒名が刻まれ、その魂は天へと送られて行きます。ここまでのプロセスは人間と全く一緒で、それだけ身近な存在であったことを象徴しました。お墓の価格やクオリティも人間用のそれと遜色がなく、熟練の職人が丁寧な手作業で石を切り出した後に磨き上げ、文字を刻んでいきます。かつてはペットだと言う理由で低価格で抑えようとしたり、いくつかの祭事を省くこともありましたが、家族としての絆が強くなっている昨今では、全てを人間と同じにしたいという方が増えていました。

それを見越した葬儀業界も、ペット向けのプランを数々提供しており、いずれも高い評価を得ています。そこには人間か動物かの際は無く、等しく大切な命であることを感じさせ、残された家族の思いが込められています。大好きだったペットだからこそ心を込めて送り出し、いつの日かまた出会える日を願ってやまないというご家族も少なくありません。